フィリピン人には全く理解されない日本式人事管理

フィリピンでビジネスに関わって、良く思う事が、日本のようなブラック企業的な慣習が極めて少ないことです。

もちろん、地方のバナナ農園などでは労務紛争が起きていますが、少なくとも日本人が社長の会社では、圧倒的に労働者の方が強いのがフィリピンです。

労働法で労働者が保護されているのに加えて、私自身感じているのが、個々の労働者の権利意識が強く、労働法違反の業務命令や通達などに何となく追従するような日本的な雰囲気は全くないと考えて良いと思います。

日本のブラック企業というのは、簡単に言えば法令違反です。

サービス残業とか、有給の未消化など、、、

でも、フィリピンで、さらに日本人など外国人が社長の会社の場合には、サービス残業など考えられません。

それと、指示命令と承認についても、日本とは大きく異なります。

日本的な習慣として、口頭のみの指示命令や承認が未だにあるようですが、フィリピン人はこれを嫌うことが多いです。

後で問題になった時に自分をプロテクトするため、証拠を求めます。

日本人的な感覚では、”その位、紙なくてもいいじゃないか”と思う人もいるようですが（とはいえ、個人的には同意しませんが、、、）、エビデンス、証拠を保管したいと考えるフィリピン人は多いですね。

あらゆる場面でサイン、エビデンスが求められるフィリピンならでは、ということなのでしょう。

エビデンス、サインだけではなく、曖昧な指示命令もフィリピン人を混乱させます。

”その件、うまくやっておいて”

みたいな指示は、確実にフィリピン人を混乱させますし、業務も上手く行かないでしょう。

指示命令は明確に、論理的に伝えないと全く理解されません。

このあたり、最近、フィリピンへの進出が顕著な中国人の経営者は、日本人とは異なり、明確な指示が多く、日本人よりも上手くマネジメントしているように感じます（とはいえ、容赦なく厳しいので、あまり就職先として人気は無い場合もありますが、、、）。

少なくとも、日本から一番近い東南アジアではあるけれども、かなり価値観や考え方が違うのがフィリピンですので、日本式を押し付けていたら成功の可能性は高まらないと考えます。

ロジックと明確さ、そして的確な言葉使いが必要となりますね。